小池至夫水彩画(通称ガッシュ)の世界

私、小池至夫(こいけのりお)が描いた水彩画を紹介しています。

五智海岸、真夏のノスタルジー

真夏の海など夏の思いを描きたくなって8月2日(月曜) AM10時過ぎに

直江津の海へ取材に出かけました。

青空の良いお天気の日で、じりじりと、お天道様が照りつけていました。

 

いくつかのアングルがあったのですが、特にひまわりを見たときに

あの黄色と橙色の混ざったような色合いの花の群生が夏らしく素敵で

描いてみたくなりこのアングルと思い決めました。

そして手前の電信柱の支線に、つる草が絡まり、つかまって

どこまで伸びるのでしょうか、もう一つの夏も感じられました。

 

すぐそこの海水浴場は現在の直江津海水浴場です。

前は郷津海岸と言っていましたか。

 

お盆前後には雨の日が続き、タイミングのちょうどいい時の取材で

ラッキーでした。

 

しばらく海水浴をしていないのですが、わたしたちが子供の頃は海水浴は

お盆前までと、されていて、過ぎるとクラゲが出てきて泳げないと。

なので私たちの時代では取材日なんかは絶好の海水浴日和でした。

 

8月3日AM9時30分より描き始めて8月24日PM1時27分に仕上がりました。

お盆を挟み、そして暑い日が多く、実質10日ぐらいの制作日数でした。

そしてまだ暑さの残る8月中に、この作品を皆様へ披露する事ができてよかったです。

 

下書きの後に、電柱と電線を描き、山などのアウトラインを、そして空を描き

山、海、ひまわり群を、道路を、そして自転車二台、バイク、車2台を描き

右側の草むらを、最後にサインをして完成しました。

 

苦労したのは、青空の微妙な濃淡と夏雲の浮かび方、細い電線の描写、海の賑わい

海水の色と波の戯れ、ひまわり群のあでやかな色合い、道路上の乗り物、

そして明るく楽しそうなアスファルト道路にした、こだわりなどでした。

薄い黄色味がかった電信柱群も大いに夏を主張していました。

 

青空の中、海でピンク色の浮き輪などで海水浴を楽しんでいる賑わいとか

白い波が打ち寄せている様子とか青々して生き生きした夏山そして夏草

ひまわり群の黄色い、おおらかさとか道路上の、それぞれの乗り物とか

一番は、真夏の海岸線の、何か、わくわくするような、子供時代に戻った様な

ノスタルジーを感じて頂けたなら、うれしい限りです。

 

海の右側には佐渡ヶ島があり、まれに空気の澄みきった時には見えることもあります。

正面方向は、筒石、糸魚川、遠くは能登半島まで続いる日本海です。

 

子供の頃は、夏休みに、この海で毎日のように泳ぎ全身真っ黒に日焼けして背中

と腕なんかは火ぶくれができ、そのうちに皮膚の皮がむけ、毎年の恒例で

それが仲間内では自慢のできごとでした。

砂浜が馬鹿に長くて、海に入るまで駆け足で熱くてやけどしそうでした。

昨日のように楽しかったことを思い出したりしています。

そして当時、小遣いは確か一日、10円で、あずきのキャンデーが5円で、憧れの

アイスクリームが10円でしたので、なかなかアイスクリームには手が出ませんでした。

いつも、あずきのキャンデー(現在のあずきバー)を、ほうばっていました。

ある時、板の間の上で食べていると、板の隙間からひんやりした隙間風が下から

吹上げて、あたったりして、楽しかった日々、でも、つねに夏休みの宿題が気に

なっていたりして、そんな夏休みの思い出の一ページもありました。

 

夏になると、いつもいつも、平山みきさんの「真夏の出来事」の歌がうかんで

きます。

あの独特の甘ったるく鼻にかかったような歌声が。

そして青春時代がよみがえるようで、楽しくなります。

当時ドライブは最高の憧れでした。

 ♪ 彼の車に乗って 真夏の夜を 走り続けた     

          彼の両手を取って 優しい言葉探し続けた     ♪

 私の絵のような海岸線だったのでしょうか。

 

私も古い人間なのでしょうかねえ。

 鶴田浩二さんも耳に手を添えながら歌っておられました。

「傷だらけの人生」という題名でした。

「古い奴ほど新しいものを求めるものでございます」

♪  右を向いても左を見ても 

    馬鹿と阿呆の絡み合い どこに男の夢がある     ♪      

 渋くて哀愁を帯びた声で男の魅力たっぷりでした。

 

夏といえば美空ひばりさん「真っ赤な太陽」の大ヒットもありましたね。

♪ 真っ赤に燃えた太陽だから 真夏の海は 恋の季節なのー    

          渚を走る 二人の髪にー

     切なくなびく 甘い潮風よー              ♪

真っ赤なドレスで歌っておられました。

今では夏の代表曲ではないでしょうか。

夏になるとカラオケで一度は歌いますね。

 

そして、ピンキーとキラーズの「恋の季節

♪ 青いシャツきてさー 海をみてたわー        

   私は、裸足で、小さな貝の船、浮かべて泣いたのー   ♪

黒いハットのピンキーが、よく通る声で、のびのび歌い男性陣の中で

ひときわ光っていました。

夏の始まりの頃の歌でしょうか素敵でしゃれていました。

当時青いシャツが憧れでした。

 

そしてそして、夏に忘れてはならないのは伊藤咲子さんの「ひまわり娘」

ですよねえ。

♪ 誰のために咲いたのー

   それはあなたのためよー

     白い夏の日差しを浴びてー    ♪

 太陽のように明るく、そして爽やかで元気いっぱいな歌い手さんでした。

 

それにしても昔は、覚えやすく、歌いやすい歌が、たくさんありましたね。

 

ひまわりといえば、昔見たソフイアローレン主演で「ひまわり」という

映画で、内容は覚えていませんが、ラストシーンでしたか

確か一面の広いひまわり畑とローレンとの対比が素敵で印象的だったのが

今でも浮かんできます。

美しいシーンでした。

 

私の描いたひまわりも、何か呼び掛けてくるみたいで哀愁をも感じ

直にご覧になって、いただきたい気持ちで、いっぱいです。

きっと幸せな気持ちになると思います。

ひまわりの、なかなか思いの感じが出なく、幾度も 々 もデープイエローと

橙色を、そして種の焦げ茶色を塗り輪郭を取ったりして工夫をしました。

 

不思議なのですが、私の長い絵画生活の中で、「ひまわり」を描いたのは

初めてでした。

 

夏を題材にした作品の中では印象に残る作品の一つになりました。

 

 やがて秋が、そして虫の声が、山々に彩りが

 

青空がまぶしかった夏 また来年のお楽しみですね。

 

後日談ですが(1月23日 PM6時10分)

さっき大相撲初場所の千秋楽が終わったばかりで、そのあとで少しだけ笑点

観て、今部屋に入りまして、この作品をしみじみとみましたが、どの部分を見ても

真夏の雰囲気がよく出ているなあと自己満足をしているところです。

 

 

 

 

 

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五智海岸、真夏のノスタルジー