小池至夫水彩画(通称ガッシュ)の世界

私、小池至夫(こいけのりお)が描いた水彩画を紹介しています。

厳冬の日本海 直江津海岸

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厳冬の日本海 直江津海岸

1月18日 AM10時30分 真冬の日本海 直江津海岸(五智海岸)を取材しました。

 

厳冬の日本海の荒波を描いてみました。

 

1月16日 トンガの大噴火で世界中で津波が発生して大変な一日でした。

翌日に取材しようと思いましたが一日待機しました。

 

1月18日 当日は、大変な大荒れでして西風が猛烈に吹きまくっていました。

西風は糸魚川方面より米山の山の方角へと大変な暴風でした。

よく言えば絶好の取材日和でしたが、反面、大変怖い思いをしました。

ひざ下まである防寒着を着てゴム長靴を履いて行きましたが、大きめの防寒着が

災いしてか何度も風で吹き飛ばされそうになり風で無理やり走らされ

こらえるのに必死でした。

感心したのは一羽の海鳥が風上に向かって多感にも飛んでいたことです。

そして、ふと見ると1メートルくらいの高さの波しぶきが猛烈な速さで

東の米山の方角に、みるまに、すざましく飛び散っていきました。

こんな光景は初めてで自然の凄さ恐ろしさを目の当たりにみて

大変な恐怖を覚えました。

 

取材を終えて砂浜に止めてあった車に戻り運転席のドアを開けましたが、

車が風下のほうに向かって止めてあったためにドアが風でもっていかれそうになり、

そして閉めるのにも大変で,私が車に乗り込まないと閉められないので

風のタイミングを見て、やっとのことで、しめることができました。

危機感が足りなかったですね、勉強させてもらいました。

 

それから風の音が物凄くて、荒波の物凄いであろう波音を消してもらった事で

あの海景色の怖さを、ほんの少し緩和してもらったと思っています。

とにかく海と対峙していた時には、ここで津波がきたらとか、いろいろ浮かび

恐怖心でいっぱいでした。

 

冬空、海鳥、荒波、シャツターを押しまくり全部で48枚の写真撮影をしました。

それを眺めて、縦長にしようか普通の横長か、より始まって、どういう組み合わせが

よいか、考え考え、思い切って縦長の構図にしました。

冒険でした。

というのは、横長に比べて、絵画の見せ場が減少する恐れがあるのです。

そして、一番考慮したのは空の部分と海の部分の割合でした。

この構図で、よくなれば最高ですが、逆に言えば駄作になるか。

でも描き上がりを見てよかったと思っています。

 

下書きに二日、色塗りに一週間かかりました。

 

空を描き、海鳥を描き、海に向かいました。

 

空も少しの青空、そして鈍色の空、そして、かっと明るい黄色味がかった

白い空、わからなかったところは海との接点の模様でした。

 

荒海は下書きの時から、いろいろ組み合わせて、それを参考にして私なりに

めいっぱい描いてみました。

大波、うねり、白波、波底、澱み

群青色、黒色、黄緑色、青色、肌色、白色、黄色、緑色、焦げ茶色

黄土色 いろいろな色を使い仕上げています。

 

かなり思い切って描いたつもりですが、これが私の技量の限界でした。

まだまだ大鉈を振るうみたいに、ドバン 々と白波の波しぶきなども

思い切って描きたかったのですが、これ以上、私には度量がなく

できませんでした。

 

それでも資料の材料を見て、描きたかったことをすべて描いたつもりですので

満足しています。

 

特にパソコンでこの作品を見られるときには、ぜひ下から見上げるように

見て頂けたら色合いやら、迫力も増し、実物の絵画に近づいて見えると思います。

感じ方にかなりの開きが出ると思います。

色目が濃く見えてすごみが増してくると思いますので。

そして、クリックして全体をも、ご覧になってください。

 

また私の絵画に顔を摺り寄せるみたいに近づけて鑑賞してみてください

海原の、しょっぱい潮水までも感じてきませんでしょうか。

 

蓼食う虫も好き好きですものね、よく言えば、やさし気で趣がある作品

そして、寸止めの作業これが私の個性ですものね。

 

それでも一月の日本海の厳冬の荒波の様子を感じて頂けたなら

大変な思いをして取材して描いたかいがあり救われます。

過去に厳冬の大きな白波の作品などを数々見てこられたであろう皆様

私の作品は、いかがだったでしようか。

 

ふと、こんな「向こうは佐渡よ」という言葉が浮かんできてパソコンで調べて

みましたら、中山晋平さんの「砂山」という唱歌でした。

♪ 海は荒海 向こうは佐渡よ すずめ なけなけ

   もう日は暮れた みんな呼べ呼べ お星さまでたぞ ♪

どこから佐渡を詞ったのでしょうか 

   柏崎ですか、寺泊ですか、新潟ですか、 それとも直江津ですか

まさに、この作品にも当てはまるシチュエーションでもありましたでしょうか。

 

ブログを作成している今日は1月25日の午後3時をまわったところです。

少し前にカメラのキタムラへ行ってきたのですが、今日は朝から日差しがあり

先日が噓みたいに、洗濯物は乾くし道路のアスファルトは砂埃が舞い上がる

くらい乾いていて、雪国とは思えないくらいでした。

まだまだ3月中旬ごろまで油断できませんが、大した雪降りでなくすんで

くれればと思い願うばかりです。

 

1月26日 今日も、お天気が良く庭に出てみたら部分的に雪消えした

金木犀の木のふもとに水仙の若芽が、ぽつぽつと、まだ色味は,

黒っぽいですが力強くでていました。

やがて、クロッカスも待機していて花咲くのでしょうね。

スプリング ハズ カム ですね。

 

余談ですが

いつも作品ができると、真っ先に妻に見てもらうのですが、いつも無表情的ですが

この作品に関しては「凄い、色合いも素晴らしい」と、褒めてもらいました。

めったにないことで、うれしかったです。

単純ですか。

 

それにしても以前の私でしたら、難しそうな絵画の題材から逃げて、しり込みをして

いましたが、これも年を重ねての、いい意味での開き直り、今、逃したら後悔する

そのような気持ちなどが推してくれているのだと、またもう捨てるものがないとの

捨て身の姿勢から向かって行っているのだと思います。

もう少し早く、この開き直りの気持ちが欲しかったですね。

でも描けるうちに気付いただけよかったですか。

人生の開き直りで別の良からぬことでのしなかったことでの、良かった面も

あったでしようか。

 

2月18日

知り合いの方から「あの海鳥がいいね」と、奇しくも同じ感想を、お二人の方から

いただきました。

この絵画の構成にマッチしていると思われたのか、描きかたがよく映ったのか定かではないですが、よほどの印象がないと言葉にしてもらえないことなので、とてもこの反応がうれしくて感激して感謝しているところです。